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First Live

 記念すべき RATIUG 初ライブの音源。緊張気味の初々しい雰囲気が伝わる。
 ホリデー音楽祭主催のライブへの出演で、司会の人の話しも入っている。この日のトリをつとめた。音的には、マイク入力をそのままミックスした、ミキサー直の録音のため、音の分離が良すぎて音圧が足りない演奏に聴こえる。
 RATIUGの写真はどの時期も少ない。ジャケット用写真もないため使い回しが多くなってしまう。左上の写真は『Early Days』で使用したので、少し小さめ。他のメンバーの顔が見える写真も少ないので強引に使用している感じだが、いずれにしてもデザイン的にはいまいち。

1. Heaven Tonight(オリジナル:Yngwie Malmsteen)
Vo 佐知ねえ LG 吉田 G2 北世 B 山口 Dr 牧 Key 高坂
1990.4.29. 池袋サンライズ(東池袋)

 オープニングに選ばれたのはあまり RATIUG らしくないこの曲。何しろ、ヴォーカルハーモニーから始まるし、高坂 はギターを弾かない曲。しかしこの奇をてらった選曲は、実は 高坂 のアイディア。一番の理由は、高坂 と北世のポジションチェンジを1回減らすこと。しかし、ハーモニーにしろ、慣れない 高坂 のキーボードにしろ、中間に挟んだ方が良かったのではないかと思う。
 このライブで使われたキーボードは 高坂 の KAWAI K1II。特にこの曲ではリハーサルでの音とだいぶ違った軽い音色。適切な音を見付けられないためだが、北世に選んでもらった方が良かっただろう。

2. Hold On(オリジナル:Yngwie Malmsteen)
Vo 佐知ねえ LG 高坂 G2 吉田 B 山口 Dr 牧 Key 北世
1990.4.29. 池袋サンライズ(東池袋)

 高坂 と北世がチェンジし、本来のラインナップに。チェンジする間に佐知ねえの緊張感漂うMCが入る。出番前に簡単なサウンドチェックをしたのだがどうもモニタが聴きづらく、高坂 は立ち位置を変えながら苦戦している。高坂 にとってのギター1曲目なので、吉田がメインの曲にすべきだった。
 エンディング・ギターソロのみ演奏を続け、他は一時ブレイク、そして唐突にカウントを入れ次の曲に入るアイディアは 高坂 が1週間ほど前のスタジオで提案したものだが、これもどうもいまいち。バンドの息が合っていないかただのミスにしか聞こえない。
 北世のヒューマンヴォイスのバッキングがこれまでのリハーサルより秀逸。佐知ねえ、コーラス部隊、そして牧までもが健闘している中、ややギターが足を引っ張っている感じ。

3. Give Me All Your Love(オリジナル:Whitesnake)
Vo 佐知ねえ LG 高坂 G2 吉田 B 山口 Dr 牧 Key 北世
1990.4.29. 池袋サンライズ(東池袋)

 佐知ねえはこの曲にとても苦戦し歌いにくがっていたが、「3連系の曲が1曲あると変化がつけられて良い」という牧の意見が採用され、中間に入れることに。キーボードが目立つせいか、比較的まとまった演奏に。しかし、どうもギターがいまいち。高坂 はボリュームペダル代わりに、ソロ時にはイコライザーで音量と音色(中域を強調した音)に変化をつけていたが、急に音が変わる上に音色も周囲とフィットしていない。ギターソロの後半で一部吉田がハーモニーをつけ、ツインリードのようになっている。スタジオリハーサルでも聴けるものだが、これは吉田のアイディア。

4. Future World(オリジナル:Helloween)
Vo 佐知ねえ LG 高坂 LG 吉田 B 山口 Dr 牧 Key 北世
1990.4.29. 池袋サンライズ(東池袋)

 直前の打ち合わせでは、イントロに「山の魔王の宮殿にて」のフレーズを入れることになっていたが、なぜか 高坂 がすっかり忘れてしまった。比較的、普段通りの演奏が出来た曲。

5. Mama Kin(オリジナル:Aerosmith)
Vo 佐知ねえ LG 吉田 G2 高坂 B 山口 Dr 牧 Key 北世
1990.4.29. 池袋サンライズ(東池袋)

 佐知ねえの「ラスト〜」の掛け声は、しばらくバンド内で語り草になった。4月のリハーサルでは北世にギターを譲っていた 高坂 が再びギターに復帰。北世は軽快なロックンロール・ピアノを聴かせる。

6. Talking
Talk 吉田 牧 高坂 山口 北世
1990.5.2. マクドナルド池袋北口店

 就職活動のため脱退する佐知ねえへの贈る言葉的なアイディアを吉田が提案し、企画されたもの。話しの中でも吉田が語っているが、多人数でのラジオ収録のようなイメージ。序盤は無口な牧が中盤から笑える話しを連発し、バンドとはまた違った顔を見せる。終盤の 高坂 メインの部分は店を出て池袋駅へ向かう道中の音源。BGMは佐知ねえゆかりの曲を中心に、後でMTRで入れた。

曲順について(高坂/2014.10.3)
全体的にいまいちなライブになってしまったのは、緊張感の他に、曲順のせいも大きかったと思う。高坂 がやや独善的だったことを反省。今なら以下のようにするだろう。

1. Future World
2. Hold On
3. Heaven Tonght
4. Give Me All Your Love
5. Mama Kin

 やはり初っ端はイキが良くバンドを象徴している曲として、この曲がピッタリだと思う。そして間髪入れずに「Hold On」。この2曲は次の「Heaven Tonight」のハーモニーの練習の意味もある。「Heven Tonght」の前後には 高坂 と北世のポジションチェンジが発生するが、ともにMCを入れるしかない。1回目は挨拶、2回目はメンバー紹介(実際のライブでは、高坂と牧がメンバー紹介を嫌がったためナシになった)。「Give Me All Your Love」で雰囲気を変えて、ラストはロックンロールで締め。こんな感じが良かったと思う。


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